デオドラントで爽やかに

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汗腺を防ぐデオドラントは危険

少し昔になるのですが、塗布することによって完全に汗が出なくなるというデオドラントがありました。もしかすると現在でも残っているのかもしれません。それは体に塗付するとまず最初に何とも言えない刺激と「傷み」が発生します。そして、やがてそれが治まると、乾いた状態になり、その後からはその部位はもう汗をかかないのです。これはつまり汗腺を完全にふさいでしまっていることになります。汗を排出する部位を完全にふさぎ、汗が出てこれなくしているということです。主にこのアイテムはワキの下にしようするために作られていたものでした。その部分のアセを完全にシャットアウトするので、どのような状況下でもその部分は完全に「ドライ」な状態を保てます。そして、汗をかかないので雑菌もより付けず、その結果体臭が発生しないということになります。汗をかかないので、衣服をあせで濡らす心配もなく、汗のケアを気にする必要がなくなります。常に乾いた状態は快適でしょうし、肩を出した服装なども取りやすいのでしょう。ですが、これはあまり良い対処方法とはいえません。
「汗の排出をとめる」ということは人間のもっている機能を抑制するということです。暑くなれば汗をかくのは自然なことです。そのプロセスで体温を調節しているという大きな「意味」があるからです。ですが、「汗をかく」ということは時と場合によっては忌々しいものであったりします。TPOによっては汗をぬぐうことすらはばかられる局面もあるでしょう。現代社会を生きていると様々な局面に出くわすものです。そしてその状況に応じた服装や行動をとるものです。もし「汗をかかなくても済む」というのであれば、それを便利に思う人はとても沢山いるのではないでしょうか。ですが、それは人間の摂理に反することであるのです。「汗をかかない」という状態自体が異常です。たとえ他の手段で自分で体温を調節するにしても、ただ汗腺をふせぐだけでは汗をかくメカニズムの最後の部分をふさいでいるだけですから、体の中では汗をかこうと機能しているのです。それをただふさいだだけ、という状態は健全ではありません。
どうしても生きている限り、新陳代謝をしますし汗もかきます。体にもともと備わっている機能と無縁ではいられません。自分の体の反応が時には思うようなものではなかったとしても、それでもそれらと付き合わなければいけません。それは個体差こそあるかもしれませんが、生きている人間であればみんなが持つ機能です。それらの身体現象とどうやって折り合いをつけて付き合っていくのか、ということを考えるべきであり、世の中のデオドラントのほとんどがそのような観点で作られています。ですが、前述したように「汗をとめる」ということを頻繁に繰り返していると、体に変調をきたしかねません。そうなってからでは遅いのです。デオドラントの基本は「汗と巧く付き合う」ことです。汗はかくもの、としてそれを前提として快適に過ごす方法を考えなくてはいけません。「汗をかかない」ということはせっかく体に備わっている機能を停めてしまうということです。人としての生きる機能をひとつ封鎖するといってもいいでしょう。ですから、そのようなデオドラントを恒常的に使用することは危険であるといえるでしょう。

 
 
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